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ウェブデザインにおいて、色彩は単なる装飾ではなく、ユーザーの行動や感情に深く影響を与える重要な要素となります。
色彩心理学を理解することで、デザインの効果を最大化し、ユーザーエクスペリエンス(UX)を向上させることが可能です。
そこで本記事では、色彩心理学の基本概念とその重要性、具体的な応用方法について解説していきます!
心理学の面からのアプローチをもとに、UXを向上させ、より良いウェブサイト運営を行っていきましょう!!
色彩心理学についてはこちら!
ウェブデザインにおけるUI/UXの必要性/
現代のデジタル環境では、ユーザーが求めるものとは使いやすさと視覚的な魅力を兼ね備えたウェブサイトです。
UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)は、サイトの成功に不可欠な要素であり、特に色彩はユーザーの注意を引き、感情を喚起する力を持っています。
適切な色の選定は、訪問者の行動を促し、サイトへの滞在時間を延ばすことに寄与します。
- UI(ユーザーインターフェース)…ユーザーがデジタル製品やサービスと直接対話するための”ボタン“や”メニュー“、”アイコン“といった視覚的要素や操作手段

- UX(ユーザーエクスペリエンス)…ユーザーが製品やサービスを使用する際に得る”操作が簡単“や”使いにくい“といった全体的な体験や感情

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「色彩心理学」とは?
色彩心理学は、古代ギリシアに起源を持ち、ドイツの詩人であり芸術家のヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが1810年に発表した『色彩論』を通じて発展された、色が人間の感情や行動に与える影響を研究する学問です。
“色”は視覚的な要素の中でも最も強力なものであり、ユーザーがウェブサイトに対して抱く第一印象を左右します。
例えば、赤は緊急性や興奮を感じさせ、青は信頼感や安定感を与えるとされています。
これらの心理的効果を理解することで、デザインにおける色の選定がより効果的になります。
色彩心理学は、マーケティング、ブランディング、インテリアデザイン、ウェブデザインなど、さまざまな分野で応用されています。
例えば、企業はブランドのアイデンティティを強化するために特定の色を選び、消費者の感情を喚起することで購買意欲を高めることを目指します。
色彩心理学の基本原則

- 色の感情的影響
- 赤:緊急性や興奮を感じさせ、注意を引く効果がある。CTA(Call to Action)ボタンやセール広告に多く使用される。
- 青:信頼感や安定感を与え、特に金融機関や医療関連のサイトで好まれます。冷静さを感じさせるため、ビジネスサイトに適しています。
- 緑:自然や健康を連想させ、リラックス効果があります。エコ関連のサイトや健康志向のブランドに適しています。
- 黄:楽観性や幸福感を与えますが、使いすぎると目が疲れることがあります。注意を引くために効果的です。
- 紫:高級感や創造性を表現し、アーティスティックなサイトや高級ブランドに適しています。
- 文化的背景
- 色の意味は文化によって異なるため、ターゲットユーザーの文化的背景を考慮することが重要
- 具体的には、白は西洋文化では純潔を象徴しますが、一方東アジアでは喪を表す色とされることがあります。
「色彩心理学」と「ウェブデザイン」
本章では、色彩心理学とウェブデザインとの関わり、応用の方法を解説していきます!!
ウェブデザインにおける色彩心理学の重要性
ウェブデザインにおいては、色の選定がUXに直接的な影響を与えるため、効果的な色使いが求められます。
色彩心理学を活用することで、デザイナーはユーザーの行動を予測し、より魅力的で効果的なデザインを実現することが可能になります。
また、グローバル化が進んだ現代では、企業はインクルーシブデザインに対応する必要性が求められています。
インクルーシブデザインとは、高齢の方や障がいを持つ方、外国の方などすべてのユーザーがアクセスしやすく、使いやすいデザインを目指すアプローチです。
この観点から、色彩心理学は特に重要となります。その理由として、特定の色が文化や個人の背景によって異なる意味を持つことを考慮する必要があるからです。
例えば、赤は西洋文化では情熱や危険を象徴しますが、他の文化では幸運や祝福を意味することもあります。
このように、色の解釈は多様であり、ターゲットユーザーの文化的背景や個々の経験に基づいて異なる場合があります。 したがって、色を選ぶ際には、ターゲットユーザーの多様性を考慮し、誰もが快適に感じられる配色を選ぶことが重要です。
これにより、すべてのユーザーがウェブサイトを利用する際に、心理的な障壁を感じることなく、ポジティブな体験を得ることができるようになります。
インクルーシブなデザインを実現するためには、色彩心理学を駆使して、視覚的な要素が多様なユーザーに対してどのように作用するかを理解し、配慮したデザインを行うことが求められます。
色彩心理学の活用による効果・メリット

- ブランドアイデンティティの強化
- 色はブランドの個性や価値を反映させる重要な要素です。例えば、Facebookの青は信頼性を、コカ・コーラの赤はエネルギーを象徴します。
- ブランドに合った色を選ぶことで、一貫性のあるメッセージを伝えることができます。
- また、ブランドイメージやメッセージに合ったカラーパレットを作成することで、ブランドとして統一したイメージを付与することができます。色の組み合わせは、視覚的な調和を生み出し、ユーザーにとって心地よい体験を提供する重要な要素です。
- ユーザー体験の向上
- 色はユーザーがページをどう体験するかに影響を与えます。ナビゲーションメニューやボタンには、背景色とのコントラストを高めることで視認性を向上させる必要があります。また、重要な情報にはアクセントカラーを使用して目を引くことが効果的です。
- コンバージョン率の向上
- 色彩心理学を活用することで、コンバージョン率を向上させることが可能です。例えば、あるECサイトではCTAボタンの色を緑から赤に変更したところ、クリック率が21%向上したという事例があります。赤は緊急性を感じさせるため、ユーザーの行動を促す効果があります。
- アクセシビリティの考慮
- 色覚障害のあるユーザーにも配慮したデザインが求められます。色だけで情報を伝えず、テキストやアイコンを併用することで、すべてのユーザーにとって使いやすいサイトを実現できます。
- 色覚障がいの種類
- 赤緑色覚異常
- 最も一般的なタイプで、赤と緑の区別がつきにくい状態。これには、プロタノピア(赤が緑に見える)とデュタノピア(緑が赤に見える)が含まれる。
- 青黄色覚異常
- 青と黄色の区別が難しい状態で、トリタノピアが代表的です。
- 全色覚異常(モノクロマシー)
- 色を全く認識できず、白黒の世界しか見えない非常に稀な状態です。
- 赤緑色覚異常
- これらの課題に対しては、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)を元に、通常のテキストに対して4.5:1以上のコントラストを用いたり、色のみではなく異なるテクスチャやパターンを活用することで、視認性を向上させることができます。

ブランドカラーについて
ブランドカラーとは、企業や製品のアイデンティティを形成する重要な要素であり、業界ごとに特有の傾向や特色があります。
色彩心理学に基づいて、特定の色が消費者に与える印象や感情を考慮し、ブランド戦略に活用されています。
1. 食品業界
赤色:食欲を刺激し、興奮やエネルギーを表現する色。ファストフードチェーン、飲料メーカーで広く採用されている 具体例
- コカ・コーラ
- マクドナルド
緑色: 健康や新鮮さを象徴。オーガニックやナチュラルな製品に多く見られる。
具体例
- スターバックス

2. テクノロジー業界
青色:信頼性や安定感を表現。IT企業やソーシャルメディアで好まれる。
具体例
- IBM
- DELL
黒色:高級感や洗練されたイメージ。
- Apple
- SONY

3. ファッション業界
黒色:エレガンスや高級感を表現。ラグジュアリーブランドで多く見られる。
具体例
- Chanel
- Prada

具体例
赤色:情熱や魅力を表現。
- Christian Louboutin

4. 医療・福祉業界
青色:安心感や信頼性を与える。病院やクリニックでよく使用される。
具体例
- WHO(World Health Organization)
- 東京化学大学病院
緑色: 自然や健康を象徴。リラックスした雰囲気を提供するため精神科などで多く使用される。
具体例
- 日本健康推進協会

5. 自動車業界
黒色: 高級感や力強さを表現。高級車ブランドで使用。
具体例
- Mercedes-Benz
- BMW

銀色・灰色: 未来的なイメージ。テクノロジーを強調するブランドで見られる。
具体例
- Audi
- Tesla

応用の方法
- 色の組み合わせ
- 補色配色(対照的な色を組み合わせる)や類似色配色(隣接する色を組み合わせる)を用いることで、視覚的なバランスを保ちながら、ユーザーの注意を引くことができます。
- A/Bテストの実施
- 色の選定がユーザーの行動に与える影響を測定するために、A/Bテストを行うことが重要です。A/Bテストでは、ウェブページやアプリにおいて異なる色のボタンや背景が異なる2つのバージョンを比較して、どちらがより効果的かを判断する手法であり、どの組み合わせが最も効果的かを分析します。実際に、Amazonでは「今すぐ買う」ボタンの色をさまざまな色で試験した結果、現在のオレンジ色が最もクリック率を向上させることが確認され、採用されています。このオレンジ色は、ユーザーの注意を引きつけ、行動を促す効果があるため、特に重要な役割を果たしています。

色彩心理学を理解し、ウェブデザインに応用することで、ユーザーの感情や行動にポジティブな影響を与え、より効果的なデザインを実現することができます。
まとめ
色彩心理学は、ウェブデザインにおいてユーザーの行動や感情に大きな影響を与える重要な要素です。
適切な色の選定と配色は、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、サイトの目的達成に寄与します。
インクルーシブなデザインを実現するためには、色彩の選定において多様性を考慮し、すべてのユーザーが快適に感じられるデザインを目指すことが求められます。
皆さんも色彩心理学を用いて素敵なWebデザイン制作を行ってみてください!!
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